急性胃腸炎とは、胃や腸に急性の炎症が起こった状態の事を言います。激しい腹痛や下痢、吐き気に嘔吐などの症状があり、酷い場合は意識混濁や脱水症を引き起こすこともあります。安静にするだけで自然に回復する程度のものから、入院治療が必要な重症例もあるほど非常に怖い病気でもあります。
俗に言う食あたりや食中毒なども、急性胃腸炎を起こす原因として広く認識されています。
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【急性胃腸炎の原因】
急性胃腸炎はその原因により、感染性のものと非感染性のものの大きく2種類に分けることが出来ます。以下に説明していきます。感染性急性胃腸炎
ノロウイルスやロタウイルスなどのウイルス感染によるものや、サルモネラやカンピロバクターなどの細菌感染によるものなどは、他人にも感染する可能性がある感染性急性胃腸炎と呼ばれます。非感染性急性胃腸炎
これに対し、アルコールや脂っこい食事などの暴飲暴食によるものや、日々の精神的なストレスによるもの、抗生物質などの薬物や食品アレルギーなどの中毒によるものなどは、他人には感染する可能性が無い非感染性急性胃腸炎と呼ばれます。特に感染性急性胃腸炎は、細菌が繁殖しやすい7月〜10月の暑い時期、またウイルス性のものは11月〜2月の寒い時期に最も患者数が増える傾向にあります。
程度の大小含め、年間でおよそ100万人を超える患者数が居ると言われるほど、私達には身近な病気とも言えます。乳幼児ではロタウイルス、成人を含めるとノロウイルスの感染が毎年流行する時期に話題になっています。
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【急性胃腸炎の治療】
急性胃腸炎の治療は、原因に対する治療と症状に対する治療を行うことが必要となります。下痢に対しては、下痢によって懸念される脱水症状に注意して、十分に水分補給をすることが必須となります。通常の水でも良いですが、出来れば電解質を含み且つ消化に負担のかからないタイプの経口補水液を補給するのが良いでしょう。
吐き気・嘔吐も下痢と同様に吐き気止め薬がありますが、むやみに使用する必要はありません。嘔吐が酷く脱水症状が進行してしまう恐れがある場合などにおいて、吐き気止め薬を使います。ただ、基本的には薬を使用せずに輸液点滴を行う方法が一般です。
発熱に対しては解熱剤が用いられることがありますが、こちらも40度を超えるような高熱の場合にのみ選択されます。むやみに熱を下げるのは、ウイルスや細菌の体内熱処理が滞り、かえって症状が長引くことに繋がります。
熱による発汗で脱水症を予防する為に、前述のように十分な水分補給が必要となります。
基本的に重症ではない限り、対症療法はこまめな水分補給が原則となります。治療中は安静にし、特にトイレまたは便器がすぐ利用できる床上安静が望まれます。
食事は症状が強いうちは少量または絶食し、食欲が回復したらしばらくは胃腸に負担のかからないお粥などのみに留めます。冷たい物や脂っこい物は必ず避けるようにしましょう。
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